【知財情報】マドプロ出願 (3)企業の声

WIPOが、マドプロを利用する企業のコメントをウェブ上に公開しています。
https://www.wipo.int/madrid/en/madrid_benefits.html

日本企業からは、資生堂とソニーがコメントをしております。これら企業のコメントは、以下のように翻訳、要約できると思います。

各社コメント

資生堂

  • 40年間、標章の国際登録にマドリッド制度を使用
  • 商標管理の時間とコストの節約になっている
  • 出願時・更新時に現地の代理人を任命が不要な点も、コストの節約になる。
  • 1年から18か月以内に官庁から審査結果を受け取ることが期待できる。
  • 事後指定により、国際登録に国を追加して指定することができる。市場拡大時に、非常に役立つ。

ソニー

  • 1968年、初めてマドリッド制度を利用。現在、マドリッド制度によるソニーの商標登録は約120件。※2023年5月3日現在
  • 1つの国際出願により、世界中の複数の法域で保護を確保できる。
  • 単一のプロセスで更新が可能。
  • 審査期間が短縮されることが多いメリットも。
  • 代理人費用を最小限に抑えることができる。
  • マドリッド制度は、ボーダレス ネットワーク時代における最も効果的なグローバル商標制度。

出願件数から見た分析

上記のコメントどおり、企業にとってマドプロ出願にはメリットが多いと考えられます。
一方で、上記の2つの企業の出願データをWIPOのGlobal Brand Databaseで確認すると、通常出願の方が多く存在することが確認できました。

資生堂は、例えば、アメリカでは、マドプロ出願が約348件、通常出願が約1,356件存在します。また、シンガポールでは、マドプロ出願が約326件、通常出願が約1,033件存在します。

Sonyは、例えばアメリカでは、マドプロ出願が約399件、通常出願が約3,977件存在します。また、オーストラリアでは、マドプロ出願が約322件、通常出願が約1,538件存在する。

このことから、常にマドプロ出願をする、ということではなく、ケースバイケースにメリット・デメリットを比較衡量し、メリットのほうが大きいと判断できる場合のみ、マドプロ出願を利用しているのではないかと考えられます。

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