特許権が成立するための要件について説明して下さい。
発明が、特許法による保護に値するものとして、特許を受けるためには、以下の特許要件を満たさなければなりません。
特許法の目的は「産業の発達」にあるので、産業上利用できることが必要です。「産業」とは工業、農林水産業などの生産業に限定されず、経済市場と関わりがあるものを広く含みます。
また、理論上・実験上のものにすぎず、実際に実施できないものは「利用可能性」を欠き、特許されません。
既存の技術に特許権という独占権を与えると、第三者の自由な経済活動を妨げ、産業の発達にとってマイナスとなります。そこでつぎの3つの場合は、新規性がないものとして原則として特許されません。
特許出願前に国内または外国で、
- 公然と知られた発明
- 公然と実施された発明
- 頒布された刊行物に記載されたり、インターネットで公表された発明
しかし、例外的に
- 特許を受ける権利のある者が試験を行なったり、刊行物、インターネットを通じて発表したり、または特許庁長官が指定する学術団体の研究集会で文書で発表したことによって新規性を喪失した発明
- 特許を受ける権利のある者の意に反して新規性を喪失した発明
- 特許を受ける権利のある者が一定の博覧会に出品することにより新規性を喪失した発明
については、6ケ月以内に特許出願をした場合には、新規性および進歩性の適用について、新規性の喪失に至らなかったものとみなして、救済を図っています。
ただし、
,
の場合には、出願にあたって所定の手続が必要とされています。
特許出願前に、その分野の平均的技術者が既存の技術から容易に発明ができた「進歩性のない発明」には、特許は付与されません。
進歩性のない発明には特許権という独占権を与えるだけの価値がなく、また、独占権を与えると第三者の自由な経済活動を妨げるからです。
進歩性の有無は、一般的には発明の目的(課題)、構成および効果から判断します。
たとえば、公知技術を寄せ集めただけのものや、他の技術へ転用したにすぎないものなど、その分野の技術者が効果を容易に予測できる場合には、進歩性は認められません。
先願が公開された場合、その先願の出願当初の明細書または図面に記載されている発明と後願の発明とが同一のときには、出願人または発明者が同一の場合を除いて、後願の発明には特許は付与されません。
先願の特許請求の範囲に記載されていなくても、先願の明細書や図面に記載された発明は、原則としていずれ公開されるので、それと同一の後願は社会に何ら新しい技術を提供したことにならないからです。
不登録事由
公序良俗または公衆衛生を害するおそれのある発明は特許を受けることができません。
その教科書事例としては、「紙幣偽造機」や「阿片吸引器」などがあげられています。
特許要件とは

